国宝支える「こけら葺き」の正体!檜皮葺との違いや語源の真相に迫る
国宝支える「こけら葺き」の正体!檜皮葺との違いや語源の真相に迫るの要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。
「こけら葺き」とは、木材を薄く割った板(割板)を少しずつずらしながら無数に重ねて屋根を葺く、日本古来の板葺(いたぶき)工法の一種です。主に使用される木材は、耐水性に優れ、木目が真っ直ぐに通った椹(サワラ)やスギ、ヒノキなどです。
その施工方法は驚くほど緻密です。厚さわずか約2〜3ミリ、幅約9〜10センチ、長さ約30センチ前後の板を、約3センチ程度だけ外側に露出させながら3枚〜4枚重ねの状態で葺き上げていきます。固定には金槌と竹釘(たけくぎ)を用います。鉄釘を使わないのは、錆による木材の腐食を防ぎ、経年変化に柔軟に対応させるためです。熟練の宮大工や屋根職人は、口に含んだ竹釘をリズミカルに取り出し、驚異的なスピードで打ち込んでいきます。
こけら葺き最大の魅力は、薄板だからこそ可能になる滑らかな曲線美(「起くり(むくり)」や「反り(そり)」)です。直線の板を重ねているにもかかわらず、完成した屋根はまるで水面のような柔らかい陰影を描き出し、建物の品格を際立たせます。