埼玉県立近代美術館の見どころ徹底解剖!椅子の秘密と建築美の真相

埼玉県立近代美術館の見どころ徹底解剖!椅子の秘密と建築美の真相の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

埼玉県立近代美術館が全国のアートファンから「椅子の美術館」と称される最大の理由は、館内のオープンスペースや展示室周辺に世界各国の名作デザインチェアが惜しげもなく配置され、その大半に実際に座ることができるという前代未聞の展示スタイルにあります。一般的な美術館において、展示品はガラスケースの向こう側やパーテーションの内側に置かれ、「お手を触れないでください」という警告が常識です。しかし当館では、開館当初から「生活の中の芸術」「身体で感じるデザイン」を提唱し、椅子コレクションの収集と館内配置を継続してきました。

ヘリット・リートフェルトによる幾何学的な『レッド・アンド・ブルー』、シャルロット・ペリアンの優雅なシェーズロング、ミース・ファン・デル・ローエの『バルセロナ・チェア』、さらには倉俣史朗や柳宗理といった日本を代表するデザイナーの傑作まで、デザイン史の教科書に載るような椅子が館内各フロアの光あふれる場所に置かれています。腰を下ろして一息つきながら、窓外の木々や彫刻を眺めたり、建築の陰影を感じたりする時間は、他館では決して味わえない贅沢な体験といえます。

そして、この体験を際立たせているのが建築家・黒川紀章氏による初期の美術館建築です。建物の外観は、直線的な格子状のグリッドフレームと緩やかな曲線を描くガラスウォールが対比をなし、周囲の北浦和公園の自然を建物内部へと引き込む「共生の思想」が見事に具現化されています。地下1階から地上3階まで吹き抜けの開放的なアトリウムに差し込む自然光は、時間帯や季節によって表情を変え、名作椅子に座る鑑賞者自身をも空間のアートピースへと変えてしまう構造美を誇っています。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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