鴻門之会で劉邦はなぜ生還できたのか?項羽との緊迫心理戦を徹底解説
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樊噲の乱入によって暗殺の機先を制された項羽陣営。この一瞬の膠着状態を劉邦は見逃しませんでした。「厠(トイレ)に行きたい」と立ち上がり、樊噲を伴って天幕の外へ脱出します。
外に出た劉邦は「項羽に正式な挨拶もせず立ち去るのはまずいのではないか」と躊躇しますが、樊噲が放った決定的な言葉が劉邦の背中を押します。
「大行は細謹を顧みず、大礼は細譲を辞せず(大きな事業を成し遂げる者は、小さな礼儀や細かい体裁など気にしていられない)。今、相手は包丁とまな板であり、我らはその上の魚や肉です。どうして別れの挨拶など必要でしょうか!」
覚悟を決めた劉邦は、張良に後始末を託し、わずか数名の側近とともに間道(抜け道)をひたすら疾走して覇上の自陣へ帰還しました。劉邦がすでに逃げ切った頃合いを見計らい、張良は宴席に戻り、「沛公は酒に酔ってご挨拶できず失礼いたしました」と告げ、項羽には白壁(白玉の宝玉)を一双、范増には玉斗(玉で作った酒器)を一双献上しました。