水彩画家・柴崎春通の現在と経歴|世界が愛すおじいちゃん先生の真実
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柴崎春通氏は1947年、千葉県生まれ。2026年の誕生日を迎えると79歳となるベテラン画家です。メディアやSNSでは「突如現れた絵のうまい親しみやすいおじいさん」として認知されがちですが、そのバックボーンは日本の正統派近代洋画の系譜に連なる本物の実力派です。
1970年に和光大学人文学部芸術学科を卒業した柴崎氏は、日本の洋画壇を代表する巨匠・荻太郎氏や中根寛氏に師事しました。日本水彩画会会員として精力的に大作を発表し、1970年代には名門として知られる文化庁主催現代美術選抜展に選抜出品されるなど、新進気鋭の画家として早くから画壇で頭角を現しています。講談社の有名カルチャースクール等で長年講師を務め、2000年代初頭には『珠玉の水彩画風景技法とプロのワザ』(グラフィック社)や『水彩画プロへの技 気鋭七侍が伝授』(美術年鑑社)といった専門技法書を多数上梓。美術業界では知る人ぞ知る水彩画指導の第一人者でした。
だが、その歩みは平坦ではありませんでした。柴崎氏本人が過去の特集インタビューで明かしたところによると、40代の頃に心臓の手術を経験し、一度は筆を置かざるを得ない健康危機に見舞われました。体を立て直すため、自然豊かな環境で米作りに勤しみ、バックパッカーとして世界各地を巡るなど、土と風に触れる生活を送った時期があります。この「命の揺らぎ」と「大自然との対峙」を経験したからこそ、テクニック至上主義に陥らない、見る者の心を包み込むような寛容な画風と哲学が醸成されました。