長田In香の香の出汁はなぜ別格?熱々徳利の秘密と再現レシピの真実
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現地を訪れると、駐車場に降り立った瞬間から風に乗って漂う濃密ないりこの香りに包まれます。善通寺における「長田in香の香」の評判は、単なる人気店という枠組みを越え、地元住民にとっても「釜あげを食べるならここ」という絶対的な信頼を誇っています。
注文を済ませて席で待つと、店員が運んでくるのが名物の特製陶器徳利です。この徳利、初めて訪れた観光客が不用意に素手で触れると飛び上がるほど強烈に熱せられています。店内に用意された専用のふきんや布を使って首元をしっかりと掴み、備え付けの猪口に注ぐ所作は、同店を訪れた者だけが体験できる独特の食の儀式です。
なぜここまで徳利を熱くする必要があるのか。その理由は、温度による「香りの立ち方」と「だしの冷め防止」にあります。陶器が持つ高い蓄熱性を利用することで、冷えやすい卓上でもつゆの温度を摂氏80度前後に長時間キープできます。高温を保つことによって、いりこや節類のアロマ成分が湯気とともに立ち上り続け、最後の一滴まで出来立ての風味を損なわずに堪能できる仕掛けとなっているのです。
なお、うどんを食べ終えた後のだしの飲み方にも流儀が存在します。猪口に残った濃厚なだしは、そのまま飲み干すには塩分濃度が高めです。そこで愛好家たちが実践しているのが、麺が入っていた桶の熱い茹で湯(釜湯)を猪口に注ぎ、蕎麦湯のように割って味わうスタイル。熱湯で割ることでいりこの甘みと昆布のまろやかさが再び花開き、極上のスープとして最後の一滴まで楽しむことができます。