富山県美術館が世界で絶賛される理由|屋上と名建築の全貌を徹底解剖

富山県美術館が世界で絶賛される理由|屋上と名建築の全貌を徹底解剖に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

富山県美術館を語るうえで外せないのが、建築家・内藤廣氏による緻密な建築空間と、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏が手掛けた屋上庭園「オノマトペの屋上」の存在です。

内藤廣氏は、東京大学名誉教授を務め、数々の美術館や公共建築を手掛けてきた日本建築界の巨匠。富山県美術館の設計においては、富山県の基幹産業である「アルミ」と、豊かな森林資源を象徴する「富山県産スギ材」を大胆に融合させました。外観のスリークでシャープな金属美に対し、一歩足を踏み入れた内部空間にはスギのルーバーが天井や壁面を包み込み、木漏れ日のような柔らかな光と芳香が漂います。内藤氏が過去の対談や講演会で「建築は人間を優しく包み込む器でなければならない」と語った思想が、ディテールに至るまで具現化されています。

そして、その建築の頂上に鎮座するのが富山県美術館のオノマトペの屋上です。ここでは擬音語・擬態語をテーマにしたユニークな遊具が配置され、子どもから大人まで直感的に身体を動かして楽しめます。

  • 「ふわふわ」:雲の上を跳ねているかのような純白のトランポリン遊具。立山連峰を正面に見据えながら浮遊感を満喫できる一番人気のスポット。
  • 「ぐるぐる」:すり鉢状の傾斜を回りながら、重力と遠心力を肌で感じる体感型スロープ。
  • 「ぼこぼこ」:無数に隆起した突起の間を縫って登り降りし、全身のバランス感覚を刺激する立体エリア。

特筆すべきは、この屋上庭園が入館無料のパブリックスペースとして全面開放されている点です。美術展示室へ立ち寄らない市民や家族連れも気軽に訪れ、芝生の上で風を感じながらアートの断片に触れられる構造になっており、公共建築としての高い包摂性を誇っています。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest