車にスペアタイヤがない決定的な理由|消えた真相とパンク時の対処法

車にスペアタイヤがない決定的な理由|消えた真相とパンク時の対処法にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

「スペアタイヤの廃止はいつから始まったのか」という疑問を持つ方は多いはずです。国内の自動車業界では、2000年代後半から徐々に非搭載車が増え始め、2010年代前半には多くの大衆車で標準装備から除外されました。現在販売されているスペアタイヤが乗ってない車種は、軽自動車から高級セダン、ミニバン、SUVに至るまで大半を占めています。

自動車メーカーがスペアタイヤを降ろした最大の理由は、車の軽量化による燃費向上とCO2排出量削減です。一般的なスペアタイヤや応急用のテンパータイヤは、ホイールや車載ジャッキ、工具類を含めると1台あたり約10kg〜15kgの重量があります。世界的に燃費基準や環境規制(CAFE規制など)が年々厳格化するなか、10kg以上の軽量化はカタログ燃費の数値を伸ばす上で極めて大きな意味を持ちました。

また、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)の普及に伴い、駆動用バッテリーやパワーコントロールユニットを荷室下に収めるためのスペース確保が必須となったことも後押ししました。スペアタイヤを取り除いた空間をアンダーラゲッジ(床下収納)として活用することで、居住空間や積載性能を大幅に向上させる設計思想が定着したのです。

さらに見逃せないのが、日本の道路環境とタイヤ性能の劇的な進化です。道路の舗装率はほぼ100%に達し、異物によるパンクの発生頻度はドライバー1人あたり「数万キロに1回」「一生に1〜2回あるかどうか」という水準まで激減しました。「ほとんど使われることなく数年後に未使用のまま廃棄されるゴム資源の無駄」を削減するSDGsの観点も、廃止を決定づける要因となっています。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest