気管切開でも声が戻る?スピーチカニューレの真実と現場の注意点

気管切開でも声が戻る?スピーチカニューレの真実と現場の注意点の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

患者が「話したい」と願い、家族が「声を聞きたい」と望んだとしても、すべての気管切開患者に導入できるわけではありません。呼吸器感染や閉塞性窒息の重大インシデントを防止するため、気管切開スピーチカニューレ適応には極めて厳格なハードルが設けられています。

適応検討にあたっては、まず自発呼吸が安定しており、人工呼吸器からの離脱が進んでいるかどうかが最初の関門です。さらに、喉頭浮腫や腫瘍による上気道狭窄がなく、吐き出した空気が喉から口腔・鼻腔へ抵抗なく抜ける「呼気の通り道(上気道開通性)」が保たれていなければなりません。声が出せるということは、唾液や痰を咳払いで吐き出すだけの咳嗽反射や、最低限の嚥下筋力が維持されていることが前提条件となります。

一方で、重大な事故を引き起こすため使用してはならないスピーチカニューレ禁忌基準は明白です。第一に「声門部や上気道の重度閉塞」です。空気を吸い込めても吐き出せないため、弁を付けた瞬間に呼気が喉で遮断され、即座に重篤な呼吸困難に陥ります。第二に「大量の持続的な喀痰・吸引を要する状態」、そして第三に「誤嚥をコントロールできない重度嚥下障害」です。側孔から気管深部へ多量の分泌物が流れ込み、難治性の誤嚥性肺炎や無気肺を併発する危険性が極めて高くなります。意識障害が深く意思疎通が成立しない患者に対して安易に装着することも禁忌とみなされます。

斉藤 蓮

斉藤 蓮

デジタルマーケティングコンサルタント

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest