江戸時代の写真は実在する?幕末の侍や町並み・カラー写真の真実を追う

江戸時代の写真は実在する?幕末の侍や町並み・カラー写真の真実を追うとはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

「江戸時代にカメラなど存在したのか」という疑問を持つ人は少なくありません。結論から言えば、江戸時代末期の写真は確実に実在し、現在も国内外の博物館や大学に数千点以上が保管されています。

写真術(ダゲレオタイプ=銀板写真)がフランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲールによって公表されたのは1839年(天保10年)のことでした。それからわずか9年後の1848年(嘉永元年)には、オランダ船によって写真機が長崎の出島へ持ち込まれています。当時の日本は鎖国体制下にありましたが、蘭学に強い関心を持つ大名たちの情報網は極めて鋭敏でした。

日本人が日本人を撮影した確実な現存最古の写真は、1857年(安政4年)9月17日に薩摩藩主・島津斉彬を写した銀板写真です。家臣の市来四郎らが苦心の末に撮影に成功したこの1枚は、1999年に写真としては日本初となる国の重要文化財に指定されました。その後、1850年代半ばから1860年代にかけて、撮影技術はダゲレオタイプから感光乳剤をガラス板に塗布する「湿板写真(コロディオン湿板)」へと急速に進化し、多くの幕末古写真が残されることになりました。

では、当時なぜ莫大な費用をかけて写真を撮影したのでしょうか。幕末写真の撮影理由は、主に以下の3つの文脈に集約されます。

  • 軍事・科学技術の研究:薩摩藩や幕府天文学方などによる、西洋最新技術の摂取と国産化の実証実験。
  • 海外外交とお土産需要:万延元年(1860年)の日米修好通商条約批准使節団や文久遣欧使節団が、外交儀礼や身元証明、記録用として海外で撮影された事例。
  • 外国人居留地での商業写真:開港後の横浜や長崎を訪れた外国人旅行者・軍人向けに、日本の風俗や景観を販売するビジネスの成立。
清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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