韓国ノーベル賞受賞者は歴代何人?ハン・ガンの快挙と自然科学ゼロの深層
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韓国国内のシンクタンクや科学技術政策研究所(STEPI)のレポート、そして大学教授陣の証言を分析すると、自然科学賞がいまだゼロにとどまる背景には、韓国社会特有の3つの構造的障壁が浮かび上がります。
第1の要因は、韓国特有の「パリパリ(早く早く)文化」に基づく短期成果主義です。国家予算の配分や大学教員の業績評価において、3年から5年という短期間でインパクトファクターの高い論文数や特許数を算出することが絶対視されてきました。ノーベル賞に結びつくようなブレークスルーは、10年、20年と成果が出ないリスクを伴う「暗中模索の研究」から生まれます。しかし、現行の評価体系では失敗を許容する余白が極端に少なく、研究者たちはどうしても手堅く論文を量産できる既存分野の応用研究に走らざるを得ないのが実態です。
第2の要因は、学歴至上主義の果てに生じた過激な「医学部偏重」と理工系離れです。韓国の大学入試(スヌン)において、最上位層の成績を収めた受験生がソウル大学の理工学部を蹴って地方私立大学の医学部へ進学する現象が常態化しています。安定した高収入と社会的地位を約束する医師・歯科医師に優秀な頭脳が集中し、過酷な研究生活と不安定なポストに直面する基礎科学分野は敬遠される傾向が顕著です。現場の若手研究者からは「博士課程を修了しても将来設計が描けない」という悲痛な声が上がっています。
第3の要因は、研究の継続性を揺るがす政策の不安定さです。韓国政府は2011年にドイツのマックス・プランク研究所を手本とした「基礎科学研究院(IBS)」を立ち上げ、巨額の予算を投じて世界トップレベルの科学者を招聘してきました。しかし、政権交代のたびに科学技術政策の重点項目が激変し、研究開発予算の一律カットや見直しが行われるなど、腰を据えた研究環境の維持に課題を抱えています。