山本リンダ「どうにもとまらない」歌詞の魔力と阿久悠の企みとは
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言葉が持つダイナミズムを何倍にも増幅させたのが、作曲家・都倉俊一による情熱的なラテンロックのアレンジである。フラメンコやサンバの熱情を巧みにブレンドしたビートの上で、歌詞の持つパーカッシブな音感が跳ね回る。詞先で作られたというそのメロディは、日本語の母音と子音が持つアタック感を極限まで引き出し、言葉自体がリズム楽器として機能する奇跡的な構造を作り上げた。
当時、新興レコード会社として勢いに乗っていたポニーキャニオン(旧キャニオン・レコード)のスタジオでは、従来の歌謡曲の枠組みを打ち破る挑戦が日夜繰り返されていた。歌い手の息遣いすらもグルーヴの一部に変えてしまう緻密なプロダクション。このサウンドと歌詞の完璧な結託こそが、昭和歌謡というジャンルを一段上の芸術表現へと押し上げた原動力である。