湯田中温泉よろづや火災の真相と現在|桃山風呂の復活と再建の今

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ネット検索で「湯田中温泉よろづや」と入力すると、サジェストに「火災の真相」や「全焼」といった穏やかではない言葉が並びます。旅の計画を立てるにあたり、最も知りたいのは「火災被害の真相はどうだったのか」「現在の状況はどうなっているのか」という点に尽きるでしょう。

報道各社の取材データおよび宿の公式発表によると、火災が発生したのは2021年2月11日未明のことでした。出火元となったのは、1939年(昭和14年)に建てられた木造数寄屋造りの別館「松籟荘」です。当時、松籟荘は国の登録有形文化財に指定された壮麗な建築美を誇っていましたが、木造建築ゆえに火の回りが早く、惜しくも同棟は全焼する被害に見舞われました。幸いにも、従業員の的確かつ迅速な誘導によって宿泊客・スタッフ全員が無事に避難を完了し、死傷者を出さなかったことは当時のニュースでも大きく報じられました。

この火災にまつわる最大の誤解は、「よろづや全体が灰燼に帰した」という誤認です。実際には、敷地内の防火シャッターの作動や消防隊による決死の延焼防止活動により、宿の心臓部である登録有形文化財「桃山風呂」ならびに本館は奇跡的に類焼を免れました。本館や桃山風呂は設備点検と修繕工事を迅速に進め、火災からわずか数カ月後には安全を確保した上で営業を再開しています。

失われた松籟荘の再建に関しては、全国の温泉ファンや建築愛好家から多額の支援と激励が寄せられました。経営陣は単なる近代的なプレハブ再建ではなく、信州の名工たちの技を注ぎ込んだ伝統美の再興を掲げ、段階的な整備を進めています。2026年現在、よろづやは本館を中心とした客室と「桃山風呂」を軸に、以前にも増して強固な防災・保安体制を整えた上で堂々たる営業を続けています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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