イチゴは果物か野菜か?農林水産省が明かす果実的野菜の真相と定義
イチゴは果物か野菜か?農林水産省が明かす果実的野菜の真相と定義とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
イチゴの分類を語るうえで、もう1つ絶対に外せない衝撃的な生物学的盲点が存在します。私たちが普段「果実」と信じて美味しく頬張っている、あの赤くて甘いジューシーな塊は、植物学的には果実ではありません。
あの赤い部分は、花の根元にある茎の先端部分が大きく膨らんだ「花托(かたく)」と呼ばれる組織です。では、本当の果実はどこにあるのでしょうか。驚くべきことに、表面にびっしりと散りばめられている小さないちごのつぶつぶ(痩果=そうか)の正体こそが、1つひとつ独立した本物の果実なのです。つぶつぶをルーペで観察すると、硬い果皮の中に微細な種子が大切に包まれている構造が確認できます。つまり、私たちは1個のイチゴを食べることで、数百個もの微小な果実を花托と一緒に丸ごと摂取していることになります。
さらに、行政機関の間でも見解の「ねじれ」が生じています。農林水産省が頑なに「野菜(果実的野菜)」として統計を取る一方で、学校給食や病院の栄養指導のバイブルである文部科学省の「日本食品標準成分表の区分」を開くと、イチゴは当然のように「果実類」に分類されています。
文部科学省側は、作物の栽培形態ではなく「人間が体内に取り入れる栄養素の特徴や食習慣」を重視して成分表を編纂しています。イチゴはビタミンCが豊富で、日常的に生食デザートとして摂取されるため、栄養学的にはミカンやリンゴと同じ仲間として処理した方が栄養指導の現場で混乱が起きません。つまり、国の公的機関ですら、目的が異なれば正反対の分類を採用しているのが実情です。