トレンデレンブルグ徴候とは?健側が下がる理由とデュシェンヌとの違い
トレンデレンブルグ徴候とは?健側が下がる理由とデュシェンヌとの違いの真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
Q1:健側が下がるのか患側が下がるのか、現場ですぐに見分けるコツはありますか?
A1:最も確実な指標は「支持脚(地面に着いている足)」と「浮いている骨盤」の位置関係です。立っている側の股関節(支持脚)にトラブルがあるため、支えを失った「浮いている側(健側)」の骨盤が下方に沈み込みます。検者は患者の背後に立ち、左右の腸骨稜(腰骨の頂点)または上前腸骨棘(ASIS)の高さに両手を水平に当てて観察すると、どちらの骨盤が下がったか一目で視覚的に判断できます。
Q2:トレンデレンブルグ歩行を治療せず放置すると、身体にどのような影響が出ますか?
A2:歩行時の骨盤動揺が慢性的になると、患側股関節への偏った過剰負荷が続き、関節軟骨の摩耗速度が早まります。さらに、骨盤の傾きを補おうとして腰椎の代償性側弯が生じ、頑固な腰痛(メカニカルローバックペイン)や反対側(健側)の膝関節症(変形性膝関節症)を併発する運動連鎖の崩壊を招きます。また、歩行の遊脚相で足先が地面に引っかかりやすくなるため、転倒骨折のリスクも跳ね上がります。
Q3:なぜ杖は「患側」ではなく「健側」に持たなければならないのですか?
A3:バイオメカニクスの観点から、杖は「健側(痛くない側)」で把持するのが鉄則です。健側の手で杖を接地すると、患側の股関節から杖の接地ポイントまでの距離(モーメントアーム)が最大化されます。地面を杖で下向きに押すことで上向きの大きな反力モーメントが生じ、弱化した患側中臀筋の代わりに骨盤が健側へ落ちようとする力を強力に支え上げることができます。患側に杖を持つとアームが短くなり、骨盤を支える力学的な補助効果が極端に低下してしまいます。