なぜ物の値段は急変するのか?需要曲線と供給曲線で暴く市場のメカニズム

なぜ物の値段は急変するのか?需要曲線と供給曲線で暴く市場のメカニズムに関する気になる情報を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

需要や供給の曲線は、どれも同じ角度で引かれているわけではありません。傾きが急(垂直に近い)なものもあれば、緩やか(水平に近い)なものもあります。この傾きを数値化した概念が価格の価格弾力性です。

経済学における価格弾力性の計算は、以下の公式によって算出されます。

需要の価格弾力性 = | 需要の変化率(%) ÷ 価格の変化率(%) |

値が1より小さければ「非弾力的(価格を変えても数量があまり変わらない)」、1より大きければ「弾力的(少しの価格変動で数量が激変する)」と判定されます。この違いによって、市場ショックが起きた際の影響度は天と地ほど変わります。

財の分類詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価生活必需品
(米・水・電気・ガソリン)弾力性数値:0.1 〜 0.4程度
価格が20%上がっても消費量は2〜8%程度しか減少しない。非弾力的(数値が1未満)
代替が効かず生活維持に不可欠。供給曲線が左シフトすると価格が異常暴騰しやすい典型例。家計防衛では最優先でコスト管理すべき分野。嗜好品・贅沢品
(ブランド品・高級外食・旅行)弾力性数値:1.5 〜 3.0超
価格が10%上がると買い手が15〜30%も離脱する。極めて弾力的(数値が1を大幅超過)
買わなくても命に別状がない。企業が安易な値上げをすると売上が蒸発するリスク大。付加価値とブランド体験の担保が成否を分ける。代替財の多い日用品
(特定銘柄のビール・スナック菓子)弾力性数値:1.0 〜 1.8程度
1社だけが単独値上げすると他社製品へ即座に顧客が逃げる。中立〜弾力的
プライベートブランド(PB)等の逃げ道が存在。業界全体が一斉値上げに踏み切らない限り、シェア争奪戦で脱落するリスクを負うシビアな領域。

こうした価格形成の過程で生まれるのが、取引の果実とも言える消費者余剰と生産者余剰です。「本当なら1,000円出してもいい」と考えていた買い手が均衡価格の700円で買えた場合、差額の300円分だけ得をしたと感じます。これが消費者余剰です。一方で「500円以上なら売ってもいい」と考えていた売り手が700円で売れれば、差額の200円が生産者余剰となります。この2つを足し合わせた「総余剰」が最大化される状態こそが、市場が最も効率的に機能している証拠なのです。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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