盛岡の至宝・南昌荘の光と影|床もみじの絶景と名画ロケ地の真相
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今日、私たちがこの絶景を享受できる背景には、盛岡市民による粘り強い保存運動の歴史がある。バブル崩壊後の1980年代後半、屋敷はマンション建設による解体の危機に直面した。貴重な街の財産を失ってはならないと立ち上がったのが、地元市民といわて生活協同組合(いわて生協)だった。
いわて生協が土地と建物を買い取り、修復・維持管理を担うという形態は、全国的にも極めて珍しい民間主導のヘリテージトラスト事例として高く評価されている。平成24年(2012年)には、庭園が国の「登録記念物(名勝地関係)」に正式登録された。
単に過去の遺産を保護・凍結するのではなく、市民の文化交流の場やカフェスペースとして日常的に開放し、地域経済を循環させる文化財観光産業のモデルケースへ。歴史的建造物が生きた形で地域に溶け込むこの持続可能なスキームこそ、後世に誇るべき真の価値と言えるだろう。