心窩部痛とは?みぞおちの痛みに潜む危険な病気と受診の目安
心窩部痛とは?みぞおちの痛みに潜む危険な病気と受診の目安の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
一般には聞き慣れない言葉かもしれませんが、心窩部痛の読み方は「しんかぶつう」です。「窩(か)」という漢字には「くぼみ」という意味があり、胸骨の剣状突起の下、左右の肋骨弓に挟まれたくぼみ周辺、すなわち「みぞおちの痛み」を指す医学用語です。
心窩部は解剖学的に極めて複雑な交差点となっています。胃や食道下部はもちろんのこと、十二指腸、肝臓、胆のう、胆管、膵臓がこの狭い領域に位置しており、どの臓器に炎症や虚血(血流障害)が起きても、神経のネットワークを介して同じ「みぞおちエリアの痛み」として脳に認識されます。これを内臓痛、あるいは関連痛と呼びます。
日本消化器病学会の診療指針でも示されている通り、患者本人が「胃が痛い」と訴えて受診しても、精密検査を行うと胆のう炎や急性虫垂炎の初期であったり、心臓の下壁梗塞であったりすることは日常茶飯事です。「胃のあたりが痛い=胃炎」という固定観念は、重篤な疾患を見落とす最大の要因となり得ます。