水セメント比とは?計算式の求め方とJass5基準値の目安を現場目線で解説
水セメント比とは?計算式の求め方とJass5基準値の目安を現場目線で解説について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。
配合計算書の上では完璧な数値であっても、現場が一筋縄でいかないのが生コンクリートの奥深いところです。そこには「理論上の強度」と「施工現場の作業性」という激しいせめぎ合いが存在します。
現場における流動性の指標がスランプ値です。スランプコーンという金属製の筒にコンクリートを詰め、引き抜いたときに何cm自重で沈み込んだかを測定します。沈み込みが大きい(スランプ値が高い)ほど柔らかく流動性が高いことを示し、職人にとって流し込みやすい状態、すなわちワーカビリティ(施工性)が良いコンクリートとなります。
かつての建設業界では、配筋が密集した狭隘部に生コンを行き渡らせるため、ミキサー車のドラムに勝手にホースで水を注入する「現場加水(シャブコン)」という悪質な不正が横行した歴史がありました。水を足せばスランプ値は劇的に上がり、打設作業は圧倒的に楽になります。しかし、その代償として水セメント比は跳ね上がり、設計強度の未達、激しいブリーディング(練り混ぜ水が浮き出る現象)、そして将来の構造クラックを不可避のものとします。
現在では生コン工場の出荷管理や現場受入検査が極めて厳格化されており、現場加水は厳罰対象です。では、水セメント比を低く抑えつつ、どうやって流動性を確保するのか。その答えが高性能AE減水剤や流動化剤の技術です。セメント粒子を静電気的・立体的に反発・分散させる化学混和剤を用いることで、単位水量を増やさずにスランプ値を15〜18cm、あるいはそれ以上の高流動状態へとコントロールすることが可能になっています。