街宣車はなぜ捕まらないのか?警察が手を出せない法規の壁と騒音の真相
街宣車はなぜ捕まらないのか?警察が手を出せない法規の壁と騒音の真相の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
Q1:選挙カーはあんなに大音量なのに、なぜ取り締まりの対象にならないのですか?
A1:選挙運動期間中の選挙カー(街頭演説)は、公職選挙法という特別法によって使用が厳格に認められています。拡声機暴騒音規制条例や各自治体の公害防止条例においても、選挙運動は明文で適用除外と規定されているため、警察が音量を理由に走行を止めることは法的にできません。
Q2:街宣車のマイクで個人名や会社名を名指しで連呼されていますが、名誉毀損にはならないのですか?
A2:名指しで事実無根の悪評を叫んだり、脅迫的な言葉を発した場合は、刑法上の名誉毀損罪(第230条)や信用毀損罪、脅迫罪が成立します。ただし、これらは原則として被害者側からの告訴が必要な親告罪や、被害企業・個人の具体的な被害証拠を必要とするため、通りすがりの警察官がその場で現行犯逮捕することは極めて稀です。被害を受けた当事者が弁護士を通じて告訴状を提出し、後日立件されるケースが一般的です。
Q3:なぜ国会は、もっと厳しく街宣車を一発で逮捕できる法律を作らないのですか?
A3:街宣車をピンポイントで排除するような強力な法律を制定しようとすると、一般市民による平和的な抗議デモ、労働組合の街頭アピール、環境保護運動など、あらゆる市民活動の自由まで同時に萎縮させてしまう危険(過度の広汎性の法理)があるためです。過去の法制審議でも度々議論されていますが、権力が都合の悪い言論を排除する口実になりかねないという強い懸念から、一発逮捕のような厳罰化には慎重な姿勢が維持されています。