甲状腺機能亢進症の原因とは?動悸や体重減少の正体とバセドウ病の真実
甲状腺機能亢進症の原因とは?動悸や体重減少の正体とバセドウ病の真実について見逃せない 事実を厳選して解説いたします。
厚生労働省の難治性疾患等に関する調査統計によると、バセドウ病を中心とする甲状腺機能亢進症が女性に多い理由として、明確な男女比の偏りが挙げられます。患者の男女比はおよそ1対4〜1対5と圧倒的に女性に多く、特に20代から40代という性成熟期・社会活動のピーク期に発症が集中しています。
この偏りを生み出す決定打となっているのが、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)と免疫機構の密接な相互作用です。女性ホルモンは、胎児を母体内で育てるという生物学的要請から、本来であれば異物である胎児を拒絶しないよう、免疫応答のバランスを柔軟に変動させる性質を持っています。しかしこのホルモン変動の波が、免疫の自己寛容性(自分自身の組織を攻撃しない仕組み)を揺るがす諸刃の剣としても作用します。
妊娠・出産に伴う母体のホルモン環境の激変や、月経周期に伴う内分泌の揺らぎは、免疫細胞の暴走を食い止める「制御性T細胞」の働きを一時的に低下させます。これに仕事や育児による慢性疲労が重なることで、TSHレセプター抗体の産生閾値が一気に突破され、甲状腺への総攻撃が開始されてしまう構造が存在します。