止まった絵が動く謎!目の錯覚アートに脳が騙される衝撃の真相と仕組み

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SNS上で北岡教授の錯視画像などが拡散される際、決まって添えられるキャッチコピーがあります。「絵が激しく動いて見える人はストレスが溜まっている」「精神的に疲弊している証拠」という文説です。この言説は、果たして医学的・科学的に正しいのでしょうか。

結論から言えば、これは完全な科学的根拠を欠いた都市伝説(フェイク言説)です。

前述の通り、静止画が動いて見えるのは、網膜の明暗応答速度差とマイクロサッカード(不随意眼球運動)という、健康な人間の視覚システムが標準装備している生理現象に起因します。日米の視覚科学研究機関の臨床実験においても、被験者の自律神経状態や主観的疲労度と、周辺ドリフト錯視の知覚強度に有意な相関は見出されていません。

むしろ注意すべきは加齢による見え方の変化です。人間の眼球は加齢とともに水晶体の混濁や網膜のコントラスト感度低下が進むため、高齢者層では若年層と比較して「動く錯視が静止して見える」割合が有意に高くなることが判明しています。「動いて見える=病気や疲労」ではなく、「動いて見える=明暗の微細なコントラストを感知できる健全な受容機能が働いている」と解釈するのが学術的な真実です。

また、錯視の知覚には個人差があり、アスペルガー症候群など自閉スペクトラム症(ASD)の傾向を持つ人々の中には、局所的な細部情報への知覚が研ぎ澄まされている結果、全体的なコンテキストに引きずられる幾何学的錯視に影響されにくい(騙されにくい)ケースがあることも近年の認知科学で実証されています。「万人が同じように世界を見ているわけではない」という事実を浮き彫りにする点こそ、錯視研究の真骨頂といえます。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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