受水槽の仕組みと給水方式の現在地|清掃義務や直結化の波を徹底検証

受水槽の仕組みと給水方式の現在地|清掃義務や直結化の波を徹底検証の注目されている理由をコンパクトにまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

道路の下を通る水道本管(配水管)から引き込まれた水は、一般的な中高層マンションでは直接蛇口へ送られるわけではありません。本管の水圧だけでは4階や5階以上の高さまで水を押し上げることが難しいうえ、朝の通勤前など特定時間帯に住民が一斉に水を使うと急激な圧力低下を招くためです。そこで一時的に水を溜め置くバッファとして機能するのが受水槽です。

給水システムを理解する上で欠かせないのが、受水槽と高置水槽仕組み違いの把握です。中高層建築の給水方式は、大きく以下の2系統に分かれます。

ひとつは、昭和から平成初期の建物に数多く採用された「高置水槽(高架水槽)方式」です。地上や地下の受水槽に貯めた水を、揚水ポンプで一旦屋上の高置水槽へ汲み上げ、そこから重力を利用して各住戸へ自然流下させます。構造がシンプルで屋上水槽に水がある限り停電時でも一定時間水が出る利点がある一方、設備が2箇所に分かれるためメンテナンス面積が増える課題を抱えています。

もうひとつが、現在の主流となっている「加圧給水方式」です。屋上タンクを全廃し、受水槽の脇に設置したインバータ制御ポンプで各住戸へ直接圧送します。屋上の荷重を減らして耐震性を高められることや、外気や日光に晒される屋上タンクの劣化リスクを排除できることから、平成以降の新築物件で急速に普及しました。

水槽内部では、自動給水を司る精緻な物理機構が働いています。水位を一定に保つ基本機構が、受水槽ボールタップ作動原理です。トイレのロータンクと同様に、水面に浮かぶフロート(浮き球)が水位の下降とともに下がると、テコの原理でバルブが開き、本管から給水が始まります。水位が規定位置まで上がればフロートが浮上して給水弁を物理的に遮断します。

中規模以上のマンションになると、ボールタップ単体ではなく受水槽電磁弁減圧弁仕組みを組み合わせた「定水位弁」が標準装備されます。水位センサーや電磁弁が電気信号でメインバルブの駆動水圧を制御し、大口径の配管でも急激な水流変化を起こさずスムーズに止水します。さらに減圧弁によって給水圧力を一定に制御し、配管への衝撃(ウォーターハンマー現象)を防止する構造が組み込まれています。

受水槽から各戸へ水を押し出す心臓部が加圧ポンプです。加圧給水ポンプ仕組みは、圧力センサーと周波数制御インバータの高度な連動によって成り立っています。住人が蛇口を開けて配管内の圧力が低下した瞬間をセンサーが感知し、ポンプの回転数を瞬時に上昇させて設定圧力をキープします。使用水量がゼロになれば自動的に運転を停止するため、省エネ性と静音性を高次元で両立させています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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