海綿状血管腫の真実|症状と破裂リスク・手術費用の最新判断基準
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脳ドックや頭部打撲後の精密検査で突如として告げられる「海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)」という病名。名前に「腫」とついているため悪性腫瘍を連想しがちですが、本態は腫瘍細胞が増殖する病気ではなく、毛細血管が蜂の巣(海綿)のように拡張し、血液が内部に滞留した先天性または後天性の脳血管奇形の一種です。
通常の脳血管には、周囲を取り囲む強固な筋肉層や弾性線維が存在し、血圧の変動から血管壁を守っています。しかし海綿状血管腫を構成する血管壁は非常に脆弱で、弾性線維や正常な支持組織を欠いています。そのため、血管壁の間から周囲の脳組織へ微小な出血をジワジワと滲み出させたり、内部で小さな血栓(血の塊)の形成と石灰化を繰り返したりする特徴を持ちます。
問題となるのは、この病変を無自覚のまま放置した場合のリスクです。海綿状血管腫自体が急激に巨大化して脳を破壊することは稀ですが、問題は周囲の脳実質に対する刺激と局所的な圧迫です。主な初期症状として現れるのは以下の3パターンに集約されます。
第1に、大脳の表面(大脳皮質)に病変が存在する場合に多発するてんかん発作です。病変から微量に漏れ出た血液に含まれる鉄分(ヘモジデリン)が脳実質に沈着すると、脳の神経細胞を強く刺激する毒性物質として作用します。これが引き金となり、手足の痙攣や突然の意識消失といった発作を引き起こす原因となります。
第2に、頭蓋骨という閉鎖空間の中で血管腫が微小出血を起こし、一時的に病変が腫れ上がることで生じる頑固な頭痛やめまいです。通常の市販鎮痛薬では収まりにくい拍動性の痛みが続くケースが目立ちます。
第3に、出血した部位に応じた局所神経脱落症状です。運動野に近ければ手足の脱力や麻痺、感覚野であれば痺れ、言語中枢の近傍であれば言葉が出にくくなる失語症状が発現します。何の自覚症状もないまま一生を終える人がいる一方で、ある日突然の痙攣や視野の欠落で救急搬送され、初めて病変の存在を知らされるケースも後を絶ちません。