都市ガスとプロパンガスの見分け方|器具誤認の危険と料金差の真相
都市ガスとプロパンガスの見分け方|器具誤認の危険と料金差の真相の詳細解説をお届けします。専門的な知識が詰まっています。
「都市ガス用コンロをプロパンガス物件でそのまま使えないのか」「プラグの形状がハマれば火は点くのではないか」という疑問を抱く方は少なくありません。しかし、現場のガス器具整備士や保安担当者が口を揃えて警鐘を鳴らすように、都市ガスとプロパンガスのガス機器には一切の互換性がありません。
両者のガスは、気体としての性質が根本から異なります。天然ガスを主成分とする都市ガスは空気より軽く、空気に対する比重は約0.55です。これに対し、液化石油ガス(ブタン・プロパン)であるLPガスは空気より重く、比重は約1.5もあります。さらに決定的なのが、気体1m³あたりに含まれる熱量の差です。都市ガスの熱量が約45MJ(メガジュール)であるのに対し、プロパンガスは約99MJと、約2.2倍の発熱量を誇ります。
この発熱量と供給圧力の差に対応するため、ガスコンロ内部のガス噴出ノズルの穴のサイズは明確に作り分けられています。熱量の低い都市ガス用コンロはノズル穴が大きく設計されており、熱量の高いプロパンガス用コンロはノズル穴が小さく絞られています。
もし都市ガス用のコンロをプロパンガスの配管に誤って接続した場合、極めて高濃度のプロパンガスが過剰に噴出します。その結果、点火と同時に数十センチに及ぶ巨大な炎が立ち上る「火炎吹き出し事故」が発生し、周囲の壁や換気扇を焼き焦がす火災に直結します。逆に、プロパンガス用コンロを都市ガス配管に繋いだ場合、ガスの供給量が著しく不足して不完全燃焼を起こし、無色無臭の一酸化炭素(CO)が室内に充満して中毒事故を引き起こす引き金となります。
新居にガスコンロを持ち込む際は、コンロ本体の右側面や電池ボックスのフタ裏に貼られている定格銘板シールを必ず確認してください。
銘板に「都市ガス用」「12A・13A」と記載されていれば都市ガス専用、「LPガス用」「LPG」と記載されていればプロパンガス専用です。現在国内で流通している都市ガスの99%以上は「13A」規格(一部地域で12A)に統一されているため、都市ガス物件であれば「12A・13A」共用モデルが適合します。型番の末尾に「-13A」や「-LP」と印字されていることも多いため、中古売買や友人からの譲渡品を受け取る際にも、この英数字のチェックを怠ってはなりません。