【スラダン】三井寿はなぜ愛される?挫折からの劇的復活とその後の進路の真相
【スラダン】三井寿はなぜ愛される?挫折からの劇的復活とその後の進路の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
スラムダンク屈指の人気キャラクターである三井寿は、一体なぜこれほどまでに読者の心を掴んで離さないのでしょうか。その最大の要因は、彼が「一度完全に道を踏み外し、自らのプライドに押し潰された人間」だからです。多くのスポーツ漫画に登場するエース格は、強固な精神力とストイックな努力で壁を乗り越えていきます。しかし三井寿は、怪我をきっかけに現実から逃避し、仲間を妬み、最も愛していたバスケットボール部を暴力で壊そうとしました。
不良仲間を引き連れて湘北高校の体育館に乗り込み、宮城リョータや流川らを相手に血みどろの乱闘を演じたエピソードは、彼の心の脆さと嫉妬、自己嫌悪の極致を描き出しています。その張り詰めた糸が切れた瞬間、恩師・安西光義監督の姿を前にして膝から崩れ落ち、絞り出した「バスケがしたいです……」という慟哭。この言葉が四半世紀以上を経ても色褪せないのは、虚勢を脱ぎ捨てて己の過ちを認める勇気が、どれほど尊く苦しいものであるかを物語っているからです。
復帰後の三井寿は、かつての中学MVPという栄光の鎧を失っています。タバコこそ吸っていなかったものの、2年間のブランクによってスタミナは激しく消耗し、後半戦になれば息も絶え絶えになります。それでも彼は、腕が上がらなくなろうと、意識が朦朧としようと、美しい弧を描くスリーポイントシュートを沈め続けます。「静かにしろい この音が……おれを甦らせる 何度でもよ」という独白に象徴されるように、過去の過ちを消し去ることはできなくとも、現在のコート上で落とし前をつける姿こそが、読者が彼に惚れ込むかっこいい理由の本質なのです。