京都・東本願寺完全解剖!世界最大級の木造美と東西分裂の真相

京都・東本願寺完全解剖!世界最大級の木造美と東西分裂の真相の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

東本願寺の境内へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが烏丸通にそびえる巨大な御影堂門(ごえいどうもん)です。木造建築の二重門(2階建ての門)としては日本一の高さを誇る約27メートルの威容を誇り、京都三大門の一つに数えられます。この門をくぐった先に広がる石畳の空間と、正面に鎮座する御影堂のスケール感は、訪れる参拝者を圧倒します。

中心伽藍である東本願寺御影堂の見どころは、何と言ってもその桁外れの規模にあります。正面幅76メートル、側面58メートル、高さ38メートルに及ぶ広大な平屋建て木造建築であり、建築面積において世界最大級の木造建築物です。堂内には畳が927枚敷き詰められており、宗祖・親鸞聖人の木像(御真影)が中央に安置されています。堂内に上がれば、静謐な空気の中に巨大な欅(けやき)の柱が整然と立ち並び、外光と金箔の装飾が織りなす荘厳な空間美を体感できます。

御影堂の南隣に並び立つ阿弥陀堂の建築と歴史的背景も見逃せません。阿弥陀堂は本尊である阿弥陀如来立像を安置する本堂であり、現在の建物は1895年(明治28年)に再建されたものです。内部は豪華絢爛な金箔と緻密な彫刻で埋め尽くされ、浄土真宗が説く「西方極楽浄土」の世界観を物質空間として見事に現出させています。御影堂と阿弥陀堂は渡り廊下で結ばれており、靴を脱いで堂内を巡ることで、木造建築の柔らかな足触りと線香の香りに包まれる贅沢な時間を過ごせます。

また、これらの巨大建築を語る上で欠かせないのが、近代の再建事業を支えた東本願寺毛綱の歴史と由来です。江戸時代に4度の火災に見舞われた東本願寺は、明治の再建工事において巨大な木材を山奥から引き揚げるため、当時の技術では通常の麻縄では重量に耐えられないという危機に直面しました。そこで全国の女性門徒が自らの黒髪を切り落として寄進し、麻と人毛を撚り合わせて強靭なロープを編み上げました。これが「毛綱(けづな)」です。現在も境内の展示スペースにその実物が保存されており、名もなき信徒たちが捧げた信仰の執念と歴史の重みを無言で伝えています。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest