寒暖差で鼻水が止まらない謎|血管運動性鼻炎の最新メカニズムと治し方

寒暖差で鼻水が止まらない謎|血管運動性鼻炎の最新メカニズムと治し方にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

寒暖差や食事の刺激によって突如として鼻水が止まらなくなる背景には、鼻粘膜に網の目のように張り巡らされた毛細血管と自律神経の密接な連動システムが存在します。 鼻腔の内側を覆う粘膜は、吸い込んだ外気の温度と湿度を瞬時に調整し、肺に最適な状態(温度約37度、湿度約100%)にして送り届ける「天然の高性能エアコン」としての機能を担っています。この空調機能をリアルタイムで制御しているのが、交感神経と副交感神経からなる自律神経系です。 通常、冷たい外気に触れると交感神経が優位になり、粘膜内の血管を収縮させて血流を絞り、過剰な水分分泌を抑えようとします。ところが、前日比や室内外で7度以上の急激な温度差にさらされたり、慢性的な疲労や睡眠不足で自律神経の調節機能が疲弊していたりすると、このスイッチング機構がショートを起こします。 その結果、アセチルコリンを伝達物質とする副交感神経が異常に興奮し、鼻粘膜の毛細血管が急速に拡張。同時に粘膜下にある鼻線維腺(分泌腺)のムスカリン受容体が強力に刺激され、大量の水様性分泌物、すなわち「無色透明でサラサラとした鼻水」がダム決壊のように溢れ出すのです。 熱いスープや辛い香辛料を摂取した際に生じる鼻水(味覚性鼻炎)も、基本的には同系統の反射弓によるものです。口腔内の三叉神経から入った温熱・化学刺激が脳幹を経由して副交感神経反射を誘発し、鼻粘膜の分泌亢進を招きます。ウイルス感染による急性鼻炎(風邪)のような粘膜の強い炎症反応や粘稠度の高い黄色い鼻汁とは異なり、血管運動性鼻炎の分泌液は血漿成分に極めて近い純粋な水分である点が際立った特徴です。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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