日本中のソメイヨシノは全てクローン?一斉開花の理由と寿命の真相に迫る
日本中のソメイヨシノは全てクローン?一斉開花の理由と寿命の真相に迫るの疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。
種子から増やすことができないソメイヨシノを全国に普及させた手法が、古くから伝わる植物繁殖技術「接ぎ木(つぎき)」です。
接ぎ木とは、土台となる別の植物(台木)に、増やしたい植物の枝(穂木)を切り込み、組織を密着させて一体化させる技術を指します。ソメイヨシノの場合、根を張る台木として丈夫で病害に強いオオシマザクラや実生(種から育てた)のエドヒガンが主に用いられます。職人たちは、既存のソメイヨシノの枝を切り取って台木に接ぎ、根の給水力とソメイヨシノの成長力を組み合わせることで苗木を量産していきました。
明治以降、近代化を進める日本政府や自治体は、都市公園の整備や河川改修、学校の開校記念樹としてソメイヨシノを大量に採用しました。葉が出る前に豪華な薄紅色の花が樹幹全体を覆う美しさに加え、他の桜に比べて成長が極めて早いという特性が、復興と発展を目指す時代のニーズに合致したためです。こうして、1本の木から取られた枝が次々と接ぎ木され、日本中へ同じDNAを持つ樹木が爆発的に拡散していきました。