米津玄師「アイネクライネ」歌詞の真意|タイトルの由来と泣ける理由

米津玄師「アイネクライネ」歌詞の真意|タイトルの由来と泣ける理由の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

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楽曲を考察する上で、多くのリスナーが最初に直面する謎がアイネクライネ タイトルの由来です。「アイネクライネ」と聞くと、クラシック音楽に明るい人であればモーツァルトの名曲『アイネ・クライネ・ナハトムジーク(Eine kleine Nachtmusik=ひとつの小さな夜の音楽)』を連想するでしょう。しかし、本楽曲における意味合いは、クラシック音楽の引用にとどまらない極めてパーソナルな企図が宿っています。

文法的に紐解くと、ドイツ語の「eine(アイネ)」は女性名詞につく不定冠詞(英語のa)であり、「kleine(クライネ)」は「小さな」を意味する形容詞です。すなわち、本曲のタイトルはドイツ語で「ひとりの小さな女の子」「小さな女性」という含意を持っています。名詞が後ろに省略されていることで、特定の誰かではなく「どこかに存在する無力で小さな存在」という匿名性が際立ちます。

ここで注目すべきは、本曲の語り手が「あたし」という一人称を用いている点です。男性である米津玄師が、なぜあえて少女のペルソナを纏って歌唱したのか。当時の音楽誌のインタビューで米津自身は、自身が抱える脆さや他者と交わることへの途方もない恐怖を表現するにあたり、女性の一人称を借りることで、感情をより削ぎ落とした純粋な形に結晶化させることができたと打ち明けています。

その意図を視覚的に決定づけたのが、米津自身が一コマずつ魂を込めて描き上げたアイネクライネ MVイラストです。淡いパステル調のスライドの中に現れるのは、物憂げな表情を浮かべる10代の少女と、花束を抱えた青年。自らの手でアニメーションの原画を手がけたこの映像は、歌詞の世界観そのままに、脆く傷つきやすい少女の内面風景を鮮烈に描き出しています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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