朝井リョウのエッセイはなぜ爆笑必至?ゆとり3部作の順番と評判

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朝井リョウのエッセイをこれから手に取るなら、まずは通称「ゆとり3部作」を押さえるのが鉄則です。学生時代から社会人、そして専業作家へと歩む過程で生じた事件が時系列で綴られているため、刊行順に読むことで著者の精神的成長(あるいは退行)を余すところなく体感できます。

1作目:『時をかけるゆとり』(文春文庫)

早稲田大学在学中に『桐島、部活やめるってよ』でデビューした著者の、華々しい文学界入りとは対照的な「アホで愛おしい日常」を凝縮した記念すべき第1作です。伝説の「便意」との壮絶な死闘を描いたエピソードや、就職活動時の知られざる裏話、友人たちとの悪ノリが惜しみなく詰め込まれており、初読者の心を一気に掴みます。

2作目:『風と共にゆとりぬ』(文春文庫)

会社員生活と作家活動を並行していた兼業作家時代から、専業作家へと舵を切る激動期を収録。本作のハイライトは、なんといっても多くの読者を悶絶させた「肛門科通院記」です。痔の悪化に伴い、プライドを完全にへし折られながら診察台に上がる一部始終は、日本エッセイ史上に残る名場面として語り継がれています。巻末の「岡田将生さんとの対談」や、小説のプロローグ風に仕立てられた悪ふざけも必見です。

3作目:『そして誰もゆとらなくなった』(文春文庫)

20代後半から30代へと突入し、身体の衰えや健康問題、人間関係の変容に直面する完結編です。30代を迎えた大人が直面するリアルな体の不調(胃カメラ受診や人間ドック、眼瞼下垂の手術など)を、円熟味を増した切れ味鋭い筆致でユーモアに昇華。もはや「ゆとり」と免罪符を掲げられなくなった大人の哀愁と狂気が絶妙にブレンドされています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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