「よろしくお願い申し上げます」は失礼?プロが暴く誤解と正しい敬語マナー
「よろしくお願い申し上げます」は失礼?プロが暴く誤解と正しい敬語マナーについての真相をご紹介します。
結論から明確に言えば、「よろしくお願い申し上げます」を目上の人物や取引先に対して使うことは、国語的にもビジネス慣習的にも完全に正しい敬語表現です。失礼にあたる要素は一切ありません。それにもかかわらず、なぜ「目上に失礼」という奇妙な言説が一部でまことしやかに語られるようになったのでしょうか。その背景には、敬語の過剰解釈と、インターネット上で増幅された誤った情報拡散の構図が存在します。
この誤解の元凶となっているのは、「申し上げます」を「言う」の謙譲語としてしか捉えられない極端な短絡思考です。「よろしく頼むと私が言っているのだから、相手に対する強制であり上から目線だ」「お願いを一方的に宣言しているから失礼だ」といった、文法を無視した曲解がSNSや個人ブログを中心に広まりました。文化庁が取りまとめた『敬語の指針』に照らし合わせれば、ここでの「申し上げる」は単独の動詞ではなく、「お願いする」という動作を相手に向けてへりくだる補助動詞(謙譲語Ⅰ)として機能しています。
相手を立て、自分の頼み込む行為を低める正統な表現であるにもかかわらず、いわゆる「失礼警察」的なインフルエンサーや一部のマナー講師が独自のルールを創作し、不安を煽ることでバズを生み出してきました。言葉の本来の構造を理解していれば、根拠のないマナー違反説に過剰に怯える必要はまったくありません。