パスポートの色の違いの真相とは?赤・青から幻の緑・茶色まで徹底解剖
パスポートの色の違いの真相とは?赤・青から幻の緑・茶色まで徹底解剖に関する気になる情報を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。
日本のパスポートが5種類に分類されているのと同様に、地球上に存在する約200の国と地域が発行するパスポートも、実は無秩序に色が決められているわけではありません。国際標準規格により一定のサイズ(縦125mm×横88mm)が定められている中、世界のパスポートの色の意味は大きく分類して「赤・青・緑・黒」の4系統に集約されます。そこには各国の地政学的所属、宗教的アイデンティティ、歴史的同盟関係が明確に刻み込まれています。
1. 青系統:新世界・自由主義経済圏の象徴
世界で最も流通している色の一つが青です。アメリカ合衆国をはじめ、カナダ、オーストラリア、中南米のカリブ共同体(CARICOM)諸国などが採用しています。青は「新世界(New World)」を象徴するカラーと位置づけられることが多く、海洋国家や広大な国土を持つ新興国家に多く見られます。アメリカのパスポートは1976年の建国200周年を機に、国旗「星条旗」のネイビーブルーに合わせて現在の濃紺に変更された経緯があります。
2. 赤系統:共産主義の残滓と欧州連合(EU)の連帯
日本の一番身近な色である赤(バーガンディ・濃赤)は、ヨーロッパと旧共産圏に色濃く見られます。中華人民共和国やロシアなど、社会主義・共産主義の歴史的背景を持つ国家が国旗の赤に由来して採用しているケースが目立ちます。また、EU(欧州連合)加盟国は統一感を示すために表紙色をバーガンディで統一しており、EU離脱前のイギリスも赤色を採用していました(離脱後に象徴的なダークブルーへ変更したニュースは世界的な話題を呼びました)。日本の10年旅券がえんじ色(赤系統)である点については、日本の伝統色である「茜色」や「紅ガラ」を意識した落ち着きあるデザインが選定されたとされています。
3. 緑系統:イスラムの神聖な教義とアフリカ共同体
緑色は、イスラム教を国教とする中東・北アフリカ諸国で圧倒的な支持を得ています。サウジアラビア、パキスタン、モロッコなどがその代表例です。イスラム教の預言者ムハンマドが緑色の旗や衣服を好んだと伝えられており、コーランでも緑は「天国を象徴する神聖な色」として描かれています。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に属するナイジェリアやセネガルなども、共同体のアイデンティティとして緑色を採用しています。
4. 黒系統:極めて希少なナショナルカラーの誇り
世界で最も発行国が少ないのが、重厚な漆黒を纏った黒いパスポートの国です。その筆頭がニュージーランドです。ニュージーランドにおいて黒は、国を象徴するシルバー・ファーン(銀シダ)とともに国民的ナショナルカラーであり、ラグビー代表チーム「オールブラックス」に象徴される国家の誇りそのものです。その他、ボツワナやザンビア、マラウイなど南部アフリカ諸国の一部が黒色を採用しており、汚れが目立ちにくく公文書としての厳粛性を際立たせる視覚的効果を狙っています。