辰吉戦の未公開舞台裏と密着取材!元王者・薬師寺保栄の最新真実
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1994年12月4日、名古屋国際会議場。あの日の熱気は、今もボクシング史に太く刻まれている。日本中が息をのんだ「WBA世界バンタム級王座統一戦(薬師寺vs辰吉)」である。カリスマ的人気を誇ったWBC(世界ボクシング評議会)王者・辰吉丈一郎に対し、地元の名古屋で黙々と牙を研いでいたWBA(世界ボクシング協会)王者の薬師寺。二人の世界王者が相まみえたあの夜、下馬評を覆して判定勝ちを収めた薬師寺のファイトスタイルは、冷静沈着そのものだった。
だが、勝利の裏に隠された代償はあまりにも大きかった。名門・松田ボクシングジムでの血のにじむようなハードトレーニングで鍛え上げられたガードの堅さと高速ジャブ。しかし、辰吉の放つ強打を真正面から浴び続けた結果、試合後の薬師寺の顔面は原型をとどめないほどに腫れ上がり、視界はほとんど奪われていたという。ファンの歓声が響き渡る裏で、控室へと続く通路で倒れ込むように体を支えられていた姿は、当時ほとんど報道されなかった真実である。