イヤモニとは何か?ライブで耳につける機器の正体と驚きの仕組みを完全解説
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イヤモニの歴史を語るうえで外せない人物が、マイケル・サントゥッチ(Michael Santucci)だ。Wikipediaの「イヤーモニター」項目によると、彼は1985年に「Sensaphonics」を設立し、ミュージシャン向けの耳栓製作を開始した。音楽業界の構造的な問題——大音量のステージモニタースピーカー(ウェッジモニター)による聴力ダメージ——に真剣に向き合ったパイオニアだ。
そして決定的な転換点となったのが1991年。Sensaphonicsが世界初のカスタムIEM「ProPhonic Ⅳ」をリリースする。このモデルは「周囲の大音量を遮断しながら、必要最小限の音量のみをモニタリング可能」という革新的な設計で、プロ音楽家の現場に衝撃をもたらした。プラスチック製のシェルとソフトなチップを組み合わせた構造は、現代のカスタムイヤモニの原型にあたる。
それ以前のライブステージでは、ステージ前方に置かれたウェッジ型のフロアモニタースピーカーが主流だった。しかし大会場になるほどステージ上の音はカオス状態になり、アーティストは自分の歌声すら聞こえなくなる。PA卓関係者の証言によれば、「昔のアーティストは耳に指を当てて歌うのが当たり前だった」。イヤモニの普及がその慣習を一変させたのだ。
1990年代後半から2000年代にかけて、SHURE(シュアー)やWestone(ウェストン)、Etymotics(エティモティック)といったメーカーが市場に参入し、プロ向けカスタム品だけでなくユニバーサル(既製品)タイプの製品ラインアップも拡充。プロ専用だったイヤモニが、一般ミュージシャンや音楽愛好家にも手の届く存在になっていく潮流が生まれた。