礼文島に熊はいるか?ヒグマ生息の真相とトレッキングの安全対策

礼文島に熊はいるか?ヒグマ生息の真相とトレッキングの安全対策について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

生息していないはずの礼文島でこれほど熊の存在が検索される背景には、すぐ東南に位置する隣の離島・利尻島で発生した前代未聞のアクシデントがあります。それが2018年6月、利尻島にヒグマが海を泳いで渡り上陸したという衝撃的なニュースです。

利尻島では明治45年(1912年)に海を渡ってきたヒグマが射殺されて以来、およそ106年間にわたりヒグマは生息していませんでした。しかし2018年、北海道本土(稚内・天塩側)から約20キロメートル離れた利尻島にオスのヒグマ1頭が泳ぎ着き、島内の山林で足跡やフンが確認されたことで島中が騒然となりました。この事実は当時の全国ニュースで大々的に報道され、「北海道の離島であっても熊が泳いでやってくる」という強烈な印象を人々に植え付けることになったのです。

しかし、利尻島の事例をそのまま礼文島に当てはめて不安がるのは早計です。両島の地理的条件と海流の状況を比較すると、リスクの決定的な違いが浮かび上がります。

利尻島と北海道本土との最短距離が約20キロメートルであるのに対し、礼文島と本土との距離は約60キロメートルも離れています。ヒグマは泳ぎが得意な動物として知られ、時速数キロメートルで数時間泳ぎ続ける能力を持ちますが、60キロメートルもの外洋を泳ぎ切ることは生物学的に不可能です。また、利尻島と礼文島の間にも約10キロメートルの「礼文水道」が横たわっており、そこには日本海を北上する対馬暖流由来の激しい潮流が常時流れています。万が一にも利尻島に再びヒグマが渡航したとしても、そこからさらに激流を突破して礼文島へ再上陸を果たす可能性は限りなくゼロに近いと言えます。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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