ジーンズラベルの経年変化|飴色に育つ人とボロボロになる人の決定打

ジーンズラベルの経年変化|飴色に育つ人とボロボロになる人の決定打に関する最新の話題を分かりやすく解説いたします。

ビンテージ愛好家の間で伝説のように語られるのが、「リーバイス501XXの革パッチがなぜビーフジャーキーのように縮み、やがて消滅したのか」という謎だ。ビンテージデニムのパッチ詳細を紐解くと、1954年頃まで採用されていた革パッチは、1955年頃を境に突如として紙パッチへと変更された。この歴史的転換の背景こそが、まさにリーバイス革パッチの縮み理由そのものである。

当時、アメリカの家庭に急速に普及したのが電気・ガスの大型衣類乾燥機だった。タンニン鞣しを施された当時の牛革パッチは、水分を含んだ状態で70度を超える温風に晒されると、皮革組織内のコラーゲン線維が急激に熱変性を起こす。線維が収縮して水分が急激に抜けると、元の面積の半分以下に縮み上がり、まるで乾燥肉のようにカチカチに硬化してしまうのだ。硬化したパッチはベルトの摩擦や身体の動きについていけず、割れて破片となって脱落した。当時の消費者からの「パッチが縮んでボロボロになる」というクレームの嵐を受け、リーバイス社は紙パッチへの移行を決断せざるを得なかったという歴史的経緯がある。

この失敗劇は、半世紀以上が経過した現在でも形を変えて繰り返されている。特にジーンズ洗濯と乾燥機の注意点として知っておくべきは、コインランドリーの業務用乾燥機だ。家庭用乾燥機が60℃前後であるのに対し、コインランドリーのガス乾燥機はドラム内温度が70〜80℃に達する。生デニムを一気に縮ませてアタリをつけようとコインランドリーに放り込んだ結果、デニム生地は見事なねじれとパッカリングを得たものの、革パッチは熱で真っ黒に焦げ縮み、二度と戻らない状態に陥るケースが後を絶たない。ヴィンテージの質感を保ちたいのであれば、乾燥機の熱からラベルをどう隔離するかを常に計算に入れなければならない。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest