ダウンを着て寝るのは逆効果?汗冷えと自律神経の乱れを防ぐ熟睡術

ダウンを着て寝るのは逆効果?汗冷えと自律神経の乱れを防ぐ熟睡術の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

「寒冷地の最強装備であるダウンジャケットを着て布団に入れば、無敵の暖かさが手に入るはず」という直感は、人体の睡眠生理と素材特性のミスマッチによって完全に裏切られます。ネット上でささやかれる「かえって寒くなる」「風邪を引いた」という現象は、気のせいではなく熱力学的・生理学的に証明された必然の結果です。

人間は冬場であっても、就寝中にコップ1杯分(約200ml〜300ml)の不感蒸泄および寝汗を放出しています。これは睡眠初期に脳と内臓の「深部体温」を約1℃下げ、脳と肉体を休息モードへ導くために不可欠な生体防御反応です。通常、パジャマや寝具はこの湿気を速やかに吸収し、外へ逃がすことで布団内部の湿度を適正な50%〜60%にコントロールします。

ところが、一般的なダウンジャケットの表面生地には、冷気の侵入を防ぐための「高密度織ナイロン」や「ポリウレタン樹脂コーティング(撥水・防風加工)」が施されています。この完全密閉の皮膜が汗の逃げ場を塞ぎ、ジャケット内部は瞬く間にサウナのような高湿度状態に陥ります。飽和した湿気は羽毛(ダウンボール)に付着し、羽毛自体の油分を奪って繊細な羽枝を束状にしぼませてしまいます。空気を抱え込む力(デッドエア層)を失ったダウンは断熱効果を急速に失い、冷たい外気との境界線で結露を発生させます。

その結果、濡れたダウンとインナーが肌に密着し、水分が蒸発する際に体温を奪い去る「気化熱の冷却現象」が発生します。これが真夜中から早朝にかけて襲いかかる「汗冷え」の正体です。体温を奪われた身体は冷え切ったまま朝を迎え、免疫機能の要である粘膜免疫(IgA抗体など)が低下するため、起床時に激しい喉の痛みや悪寒を伴う風邪の初期症状を引き起こすことになります。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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