映画『ポカホンタス』差別の真相|実話との乖離やネット炎上の理由を暴く

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映画と史実の間には、見過ごせない決定的な乖離が存在します。最も重大な相違点はポカホンタス本人の実年齢です。1607年にジョン・スミスら英国人が入植地ジェームズタウンを建設した当時、ポカホンタス(本名:マトアカ)はわずか10歳から12歳前後の子どもでした。一方のジョン・スミスは27歳の成人男性であり、映画で描かれたような恋愛関係が成立する余地は史実上ありません。

ポカホンタスが処刑されそうになったジョン・スミスを身を挺して救ったという有名なエピソードも、現在ではスミス本人の誇張や、部族の通過儀礼(養子縁組の儀式)を彼が誤認した創作である可能性が歴史学者の間で指摘されています。

実在のマトアカが歩んだ人生は、映画のような甘美な冒険劇とは程遠い悲劇の連続でした。彼女は10代後半で英国人部隊に拉致・監禁され、キリスト教への改宗を強いられた末、タバコ農園主のジョン・ロルフと結婚。「レベッカ」と名付けられて英国へ渡り、入植事業の宣伝塔(文明化された先住民族の象徴)として利用された後、20歳前後という若さで病死しました。この過酷な生涯を都合よく切り取り、ファンタジーに仕立て上げた制作姿勢そのものが強い倫理的批判の対象となったのです。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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