人間魚雷「回天」特攻隊の真実|脱出なき兵器と若者たちの遺言
人間魚雷「回天」特攻隊の真実|脱出なき兵器と若者たちの遺言の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
極秘裏に進められた回天の訓練拠点として選ばれたのが、山口県周南市(旧徳山市)に浮かぶ大津島でした。本土から離れ、外部からの視線を遮断できる徳山湾の離島は、若者たちを特攻要員へと仕立て上げる隔離空間となったのです。
大津島に開設された訓練基地では、連日死と隣り合わせの猛訓練が繰り返されました。搭乗員たちは荒れ狂う瀬戸内海の潮流の中で、目標艦に見立てた護衛艦への接近・突入訓練を課されました。一度操作を誤れば、鉄の塊となった回天は数百メートルの海底へと沈下します。海底に突き刺さって浮上できなくなった機体の中、冷たい暗闇で窒息死を待つ事故が相次ぎ、訓練期間中だけで15名もの若者が命を落としました。
現在、山口県周南市の大津島基地跡には、魚雷の点火試験場跡や山を貫くコンクリートトンネル、海へと続く発射台のレールが当時のまま残されています。静まり返ったトンネルを歩くと、靴音だけが響き渡り、死を前提とした任務に直面していた隊員たちの切迫した空気が肌に伝わってきます。基地はやがて山口県の光、平生、大分県の大神へと拡大していきましたが、大津島はその象徴的な原点として歴史に刻まれています。