学生結婚で内定取り消しは違法?判例から読み解く企業への正しい報告法

学生結婚で内定取り消しは違法?判例から読み解く企業への正しい報告法についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

内定取消の有効性に関して、日本の司法判断の絶対的な金字塔となっているのが大日本印刷事件 内定取消判例(最高裁第二小法廷 昭和54年7月20日判決)です。最高裁判所はこの判例において、企業が留保解約権を行使できる基準を次のように厳格に限定しました。

「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、解約権の行使は無効である。」

裏を返せば、内定取消の正当な理由として認められるのは、採用決定時には予見不可能だった極めて重大な事由に限られます。具体的には、大学を卒業できなかった場合(留年)、経歴に重大な詐称があった場合、著しい犯罪行為に手を染めた場合、あるいは重篤な心身の疾患により到底業務に就けない状態に陥った場合などに限られます。

婚姻という慶事象が、これらの破滅的な解約事由に該当する余地は一片もありません。以下の比較表は、法的に内定取消が認められ得る正当な事由と、無効・違法と判定される事由を対比したものです。

事象・事由法的な取消の可否主な適用法理・判断基準編集部の見解・実務アドバイス学生結婚(入籍の事実)全面無効(違法)憲法24条、労働契約法16条(解雇権濫用)婚姻自体は私的自治の領域。業務不適格の理由に一切なり得ない。大学の単位不足による留年有効(合法)内定契約の前提条件(卒業条件)の不成就大半の内定通知書に明記される条件。卒業できなければ取り消しはやむを得ない。内定者の妊娠・出産全面無効(違法)男女雇用機会均等法9条、労働基準法65条母性保護の観点から厳格に禁止。企業側は産休・育休の取得を認める義務がある。重大な経歴詐称・反社会的行為有効(合法)信義則違反、企業秩序維持の著しい阻害逮捕歴の秘匿や学歴詐称など、採否判断の根幹を揺るがす背信行為は取消対象。企業の経営難(整理解雇要件)厳格な4要件充足時のみ整理解雇の4要件(人員削減の必要性など)役員報酬削減など回避努力を尽くした倒産危機レベルでなければ認められない。
吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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