サッカーの10番が特別な理由とは?歴代名手とエースナンバーの深層
サッカーの10番が特別な理由とは?歴代名手とエースナンバーの深層とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
サッカーにおいて背番号が公式に導入されたのは1928年のイングランド(アーセナル対チェルシー戦)とされています。当初の背番号はポジションを示すための記号に過ぎず、ゴールキーパーの1番から始まり、ディフェンダーが2〜6番、前線のフォワード陣が7〜11番というように、ピッチの後方から順番に機械的に割り振られていました。つまり、当初の10番は単なる「左のインサイドフォワード」を示す番号に過ぎなかったのです。
この機械的な背番号に魂を吹き込み、世界的なエースナンバーへと昇華させた決定的な契機が、1958年スウェーデン・ワールドカップにおけるペレの登場でした。当時、ブラジルサッカー連盟がFIFAへ背番号を事前申請し忘れたため、本部にいたウルグアイ出身の担当役員が無作為に番号を割り当てました。その結果、当時わずか17歳だった無名の少年ペレの手元に渡ったのが「10番」だったのです。
大会が始まると、ペレは準々決勝のウェールズ戦で決勝点を挙げ、準決勝のフランス戦でハットトリック、決勝のスウェーデン戦でも2ゴールを記録してブラジルを史上初のW杯優勝へと導きました。世界中のファンに「神童ペレ=背番号10」という強烈な残像が刻み込まれた瞬間です。その後、1970年代から80年代にかけてディエゴ・マラドーナ、ジーコ、ミシェル・プラティニといったフットボール史に名を残す天才たちがこぞって10番を纏い、ピッチ上で魔法のようなプレーを披露したことで、「10番=チームで最も卓越したファンタジスタ」という不文律が完成しました。