ティラミスヒーロー事件の真相|商標乗っ取りの結末と現在の姿を追う
ティラミスヒーロー事件の真相|商標乗っ取りの結末と現在の姿を追うの要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
感情論としての炎上にとどまらず、知的財産法の観点から本件がどのように決着したのか、その商標登録 経緯まとめを時系列で辿ると、日本の知財制度が示した自浄作用が確認できます。
騒動の発端となったのは、gram社側が取得していた主に2つの商標でした。1つは文字商標「ティラミスヒーロー」(商標登録第6031954号)、もう1つはマントをつけた猫のロゴマーク「THE TIRAMISU HERO」(商標登録第6073226号)です。gram側はこれらを2017年から2018年にかけて出願し、登録査定を得ていました。
大炎上を受け、gram社側は公式サイト上にティラミスヒーロー 謝罪文を掲載。「他意はなかった」「商標権を本家に譲渡する用意がある」といった趣旨の弁明を行いましたが、火に油を注ぐ結果となり、世論の反発は収まりませんでした。その後、本家側および第三者の弁理士らによる法的手続きが特許庁に対して進められました。
まず、猫ロゴ商標(登録6073226号)に対して商標登録異議申立てが行われ、特許庁は主要な区分である第30類(菓子・パン等)、第35類(小売等役務)、第43類(飲食物の提供)の取り消しを決定しました。残されていた第29類についても後の無効審判で無効と判断され、最終的に猫ロゴ商標は全体が消滅しました。
さらに文字商標「ティラミスヒーロー」(登録6031954号)に対しても無効審判請求が提起されました。特許庁は、本家のティラミスヒーローが当時すでに日本国内のスイーツファンやメディアを通じて高い知名度を得ていたこと、そしてgram側の出願が他人の業務に係る商品・役務と混同を生じさせる不正の意図を持ったものであると認定。商標法第4条第1項各号に違反するとして、無効審判により登録は無効と確定しました。結果として、gram社側が押さえた商標はすべて法的に葬り去られたのです。