大相撲史を揺るがす大鵬伝説!幕内優勝32回と孫・王鵬へ継ぐ血脈
大相撲史を揺るがす大鵬伝説!幕内優勝32回と孫・王鵬へ継ぐ血脈に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
1960年代、高度経済成長期を迎えた日本の流行語となったのが「巨人・大鵬・卵焼き」です。当時の子どもたちが好んだものの代名詞として定着したこのフレーズは、元・経済企画庁長官で作家の堺屋太一氏が通産官僚時代に考案した表現とされ、テレビの爆発的な普及とともに瞬く間に社会現象となりました。長嶋茂雄や王貞治を擁した読売ジャイアンツ、家庭料理のご馳走であった甘い卵焼き、そして無敵を誇った大鵬。この3者は、戦後復興を成し遂げつつあった日本人が求めた「豊かさと無条件の強さ」の象徴でした。
しかし、大鵬の相撲は単なる独走劇だったわけではありません。そこには常に、最大の好敵手・柏戸剛の存在がありました。大鵬と柏戸が同時に横綱へ昇進したことで幕を開けた「柏鵬時代(はくほうじだい)」は、大相撲史における黄金期の代名詞です。この2人のライバル関係は、対照的なファイトスタイルと人間的魅力によって熱狂を呼びました。
電光石火の立ち合いから一気に相手を土俵際へ追い詰める「剛」の突き押し相撲・柏戸。対して、どんな強烈な攻めも受け止め、左四つから万全の寄りや上手投げへとつなぐ「柔」の美相撲・大鵬。土俵上では互いに一歩も引かぬ死闘を演じ、通算対戦成績は大鵬の21勝16敗。土俵外では深い敬意で結ばれ、柏戸が引退した際、大鵬は人目をはばからず涙を流したと伝えられています。大鵬という絶対王者が輝き続けた背景には、常に背中を脅かす柏戸という存在が不可欠だったのです。