ルパン三世カーチェイス徹底解剖|カリ城名シーンと歴代愛車の秘密
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アニメーション作画において、単に現実の動きをトレースするだけではダイナミズムは生まれません。『カリオストロの城』のカーチェイスが今なお頂点と称される所以は、「現実の力学に忠実な観察」と「アニメーションならではの心地よい嘘」の配分が完璧である点です。
制作当時、原画を手掛けたアニメーター友永和秀氏や作画監督の大塚康生氏は、宮崎駿監督の強烈なビジョンを具現化するために極限の作画作業に挑みました。象徴的なのが、ルパンが助手席の次元にハンドルを預け、車内中央に備え付けられた謎のレバーを力任せに引き絞るシーンです。
レバーを引いた瞬間、リアに搭載された空冷エンジンが狂ったような咆哮を上げ、車体全体が縦にブルブルと震動し、リヤタイヤが極限まで扁平に変形して地面を噛みます。そして一気にロケットのような急加速を見せ、道路を外れて垂直に近い山肌の斜面を駆け上がっていきます。
現実の力学では、わずか500cc前後の大衆車が急勾配の崖を登り切ることは不可能です。しかし、手前のカットでタイヤの空転や砂利の飛散、次元が車体の傾きに必死にしがみつく様子を徹底してリアルに描いているため、観客の脳内では「この車ならあり得るかもしれない」という説得力(リアリティ)に変換されてしまうのです。この緻密な観察眼に裏打ちされたウソの演出こそが、宮崎・大塚タッグの真骨頂でした。