赤痢菌を発見した人は誰?志賀潔の知られざる苦難とシゲラ命名秘話
赤痢菌を発見した人は誰?志賀潔の知られざる苦難とシゲラ命名秘話についての真相をご紹介します。
赤痢菌の学名である「Shigella(シゲラ属)」は、発見者である志賀潔の姓に由来している。生物の学名において、日本人の人名が「属名(Genus)」として国際的に採用された例は、極めて稀有な名誉である。
細菌の学名は通常、形態的特徴(例:ブドウ球菌のStaphylococcus)や発見場所、あるいはラテン語の語根から命名されることが多い。しかし、志賀潔の発見があまりにも決定的であり、世界中の赤痢研究を一変させたことから、デンマークの細菌学者トールヴァルト・マドセン(Thorvald Madsen)をはじめとする国際的な研究者たちが、彼の類まれなる功績を称えて「Shigella」と呼ぶことを提唱した。
その後、国際細菌命名規約委員会によって正式にシゲラ属が公認され、今日に至るまで『Shigella dysenteriae(志賀赤痢菌)』などの分類名として世界の共通言語となっている。海外の学術会議や医学部講義において、各国の研究者が当たり前のように「シゲラ」と発音する光景は、明治の若き日本人が残した足跡の大きさを雄弁に物語っている。