そつなくこなす漢字表記の正解は?卒と拙の真相とビジネスでの最適解

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本来の漢字が「卒」であるにもかかわらず、大手新聞社や官公庁の文書で「卒なくこなす」という文字列を見ることはまずない。ここには、文化庁が定める国語施策と公用文ひらがな表記の真相が深く関わっている。

文化庁の「常用漢字表」において、「卒」という漢字に認められている音訓は音読みの「ソツ」のみである。「卒業」「兵卒」「卒倒」のように用いられるが、「そつ(手抜かり・落ち度)」という訓読みは表外音訓(常用漢字表に掲載されていない読み方)に指定されている。日本の公用文作成基準や共同通信社『記者ハンドブック』などの報道基準では、常用漢字表にない読み方は原則として「ひらがなで書く」ことが義務付けられているのだ。

同様に、「そつがない」という慣用句においてもそつがない漢字表記として「卒がない」と書くのは私的な文章の領域にとどまり、公的なビジネス文書では「そつがない」と平仮名で表記するのが確固たるスタンダードである。無理に「卒無くこなす」「卒なく熟す」と変換することは、公用文の基礎知識を持たない書き手であると自ら露呈するようなものだ。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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