P波とは?S波との違いや速度・緊急地震速報の仕組みと計算を徹底解説

P波とは?S波との違いや速度・緊急地震速報の仕組みと計算を徹底解説の背景について、最新情報を取りまとめてご紹介します。

読者の多くが最も関心を寄せるのが、「なぜ地震波が地面を伝わっている最中に、スマートフォンへ警報を先回りして届けられるのか」という通信と物理の力学です。このシステムの根幹を握っているのが、まさにP波の検知速度と電気信号の速度差です。

気象庁が整備する緊急地震速報システムでは、全国約1,700カ所以上に張り巡らされた地震計(高感度地震観測網:Hi-net等を含む)が常時地殻の振動を監視しています。震源に最も近い観測点が地震波の最初の揺れであるP波を捉えた瞬間、内蔵されたコンピュータが瞬時に波形の立ち上がり角度や振幅の大きさを解析します。

このP波の初動データから、アルゴリズムがわずか1〜2秒足らずで震源の位置(震源時・深さ・緯度経度)および地震の規模(マグニチュード)を自動推定します。そして、最大震度5弱以上が予想された場合、震度4以上の揺れが見込まれる地域に向けて即座に一般向け緊急地震速報が配信される仕組みです。

ここで重要なのは速度の圧倒的な隔たりです。P波の速度が秒速約6km、S波の速度が秒速約3.5kmであるのに対し、光ファイバーや電波といった電気通信の伝播速度は秒速約30万km(光速)に達します。つまり、地中をのろのろと進んでくる破壊的なS波よりも遥かに速く、光速のネットワーク網が「これから大きなS波が到達する」という警告を遠方の都市部へ先回りして伝達できるのです。震源から100km離れた都市であれば、P波を捉えてから主要動(S波)が襲来するまでに約10〜15秒前後の猶予時間が生まれます。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest