カットボールとは?スライダーとの違いや握り方・バット折る魔球の秘密
カットボールとは?スライダーとの違いや握り方・バット折る魔球の秘密とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
カットボール(英語圏では「カッター:Cutter」や「カットファストボール:Cut Fastball」と呼称)は、速球系(ファストボール)の球威を保ちながら、投手の利き腕とは逆の方向へ小さくスライドする変化球です。日本球界では古くから「真っスラ(真っ直ぐ+スライダー)」という俗称でも親しまれてきましたが、現代のトラッキングデータ解析によって独立した球種として完全に体系化されました。
最も本質的な特徴は、カットボールとストレートの違いが打者の肉眼では初動で見分けがつかない点にあります。フォーシーム(直球)との球速差はわずか3〜5km/h程度しか落ちません。投手の指先から放たれたボールは、捕手の手前約7〜8メートルの「コミットメントポイント(打者がスイングするか否かを決断する限界点)」まで、全くストレートと同じ軌道を描いて直進します。
カットボールの軌道と変化量は、横方向にわずか5〜15cm程度、縦方向の沈み込みもごくわずかです。大きな弧を描く変化球とは異なり、打者が「ストレートが来た」と確信してバットを振り出した直後、インパクトのわずか数十ミリ秒前に急激に手元で食い込み、あるいは逃げていきます。この「視覚のズレ」こそが、カッター変化球が打者を圧倒し続ける最大の武器です。