アサギマダラが好む花の秘密|フジバカマにオスが集まる理由と庭の呼び方

アサギマダラが好む花の秘密|フジバカマにオスが集まる理由と庭の呼び方に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。

園芸店やホームセンターの店頭、あるいは山歩きの際によく混同されるのが「フジバカマ」と「ヒヨドリバナ」です。どちらもキク科ヒヨドリバナ属の多年草で、筒状の小花が集まった散房花序をつけるため、一見すると見分けがつきません。

両者の決定的な識別点は「葉の形状」にあります。

  • フジバカマ(原種):茎の中央部につく葉が基部まで深く3つに裂けており、短い葉柄(ようへい)を持ちます。生乾きの状態にするとクマリン誘導体による桜餅のような甘い芳香を放つのが特徴です。
  • ヒヨドリバナ:葉は裂けず、縁に細かなギザギザ(鋸歯)がある卵状長楕円形で、茎に対生してつきます。乾燥させてもフジバカマのような強い芳香は生じません。

ここで園芸ファンが直面する最大の落とし穴があります。現在、園芸店で「フジバカマ」という名称で安価に苗販売されている植物の多くは、純粋な原種(準絶滅危惧種)ではなく、近縁のサワヒヨドリなどと自然交配した「サワフジバカマ」や外来園芸種のユーパトリウムです。

ネット上の一部コミュニティでは「原種のフジバカマでなければアサギマダラは来ない」という言説が散見されますが、これは明確な誤解です。現場のバタフライガーデンでの誘引実験や愛好家の追跡調査によれば、流通しているサワフジバカマであっても十分な量のピロリジジンアルカロイドが含まれており、アサギマダラは全く問題なく吸蜜に訪れます。品種名に過度に神経質になる必要はありません。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest