筋トーヌスとは?筋緊張との違いと評価法・亢進低下の鑑別まとめ

筋トーヌスとは?筋緊張との違いと評価法・亢進低下の鑑別まとめについて押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

若手療法士が臨床実習や現場配属時に最も苦戦するのが、筋トーヌス評価方法の客観化です。SNSや匿名掲示板の医療従事者コミュニティでは、「バイザーから『トーヌスが高い』と指摘されたが、自分の手には単なる硬さにしか感じられない」「評価者によってスケールのグレードが1段階ズレる」といった現場の切実な声が絶えません。

曖昧な主観評価から脱却するために用いられるのが、標準化された理学療法評価バッテリーです。その中核をなすのが改変アシュワーススケール(Modified Ashworth Scale: MAS)です。

MASは関節を約1秒間で全可動域動かしたときの抵抗感を以下の6段階でスコア化します。

  • 0:筋緊張亢進なし(正常な筋トーヌス)
  • 1:可動域の終末でわずかな抵抗(キャッチ感)を感じ、その後弛緩する
  • 1+:可動域の半分未満でキャッチ感を生じ、その後に最小限の抵抗が残存する
  • 2:可動域の大部分で明らかな抵抗の増大を認めるが、関節は容易に動く
  • 3:抵抗が著しく増大し、受動運動が困難である
  • 4:患部が屈曲または伸展位で固着(強直)している

現場で評価の再現性を保つためのコツは、「最初の1回目」の手応えを逃さないことです。関節運動を何度も繰り返すと、チキソトロピー効果(筋肉や腱の物理的粘弾性変化)によって抵抗が一時的に低下し、過小評価につながるからです。

さらに臨床実務では、下肢のトーヌス異常を見極める「振子試験(Wartenberg's Pendulousness Test)」が重宝されます。ベッドの端に下肢を脱力させて座らせ、検者が膝関節を伸展位まで持ち上げてから一気に手を離します。正常であれば膝下は振り子のようにスムーズに揺れ、徐々に振幅を減衰させていきますが、痙縮がある場合は伸張反射が即座にブレーキをかけ、数回の硬い揺れで止まります。逆に小脳疾患による低トーヌスでは、ダンピングが効かずいつまでもプラプラと揺れ続けます。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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